#0009 親展郵便が引き起こした大騒動! 銀行員の知られざる日常

銀行の裏話

こんにちは。

ワタナベミエです。

今日は、以前所属していた支店で起こった珍事件についてお話します

郵便物


半泣きのKさん

ある日、バックヤードでの作業中、パートのKさんが半泣きで私のところに駆け寄ってきました。
「ワタナベさん…どうしよう…私…私…大変なことしちゃった…😢」

彼女が担当していたのは、毎日大量に届く郵便物の開封と振り分け作業。当時の銀行では、事務センターに集約される前の時代で、郵便物の管理も支店内で行っていたのです。一日数十通も届く手紙を捌くのは大変な仕事でした。

私が「どうしたの?」と尋ねると、Kさんが震える声で答えました。
「いじめっ子さん宛ての“親展”郵便を…間違えて開けちゃったんです…」


2人のパンチキャラ👊

ここで登場人物を簡単にご紹介します。
「いじめっ子」は、私の先輩で支店の“リーダー”的存在。筋金入りの意地悪キャラで、新入りには一度はいじわるをするという厄介な人物でした。

もう一人は私の上司。「厚化粧」と呼ばせていただきます。そこそこ美人ですが化粧が濃く、性格はさらに濃い(悪い)。例えば、部下が休暇をとる際に「あなたの休暇中はずっと雨が降るらしいよ」とわざわざ嫌味を言ってくる人でした。


問題の郵便物とは?

私は「大丈夫だよ、悪気があってやったわけじゃないから一緒に謝りに行こう」とKさんをなだめましたが、彼女の震えは止まりません。
「…中身が、離婚届だったんです…」

その書類には、いじめっ子のご主人の署名がきっちりと記載されていました。
思わず「これ、やっちゃったね~💦」と呟く私。

でも、なぜ職場宛に離婚届を送るのか?しかも普通郵便で?色々と疑問が浮かびましたが、事態はもうそれどころではありません。この件をいじめっ子に報告するとなると、ちょっとやそっとの謝罪では済まない雰囲気です。


厚化粧上司の意外な一面

仕方なく、私は厚化粧上司に相談することにしました。嫌味ったらしい上司に頼るのは気が進みませんでしたが、他に選択肢はありませんでした。

事情を話すと、厚化粧は意外にも黙って話を聞き、こう言ったのです。
「分かった。私が開けたことにしておくから、任せて!」

えっ、何この頼れる感じ⁉ 普段のくだらない嫌味キャラとのギャップに驚きました。そして、厚化粧は毅然とした態度でいじめっ子に離婚届を届けてくれたのです。


事件の教訓

この出来事以来、私は厚化粧のことを少し見直しました。どんな人にも意外な一面があるものです。ただし、皆さんにお願いしたいことが一つあります。

どうか離婚届は職場に送らないでください。たとえ「親展」と書いてあっても、ヒューマンエラーは起こり得ます。郵便物にまつわる悲喜こもごもを目の当たりにしてきた私からの切実なお願いです。


銀行の舞台裏は、想像以上にドラマチックなことが起こる場所だと痛感しました。

(終わり)

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