こんにちは。
ワタナベミエです。
コロナ禍で多くの中小企業や個人事業主が利用した「ゼロゼロ融資」通称コロナ融資ですが、現在はその返済が本格化しています。
元金据え置き期間の終了を迎え、想定以上の返済負担に苦しんでいる事業者の方もいらっしゃると思います。特に、当初の不安から必要以上に借りてしまった場合、現在の事業規模では返済が追いつかず、資金繰りが悪化しているケースも多いのが実情です。
しかし、適切な対策を講じることで、資金繰りを立て直し、事業を継続する道は十分にあります。本記事では、返済に困ったときの具体的な対策や活用できる支援策について詳しく解説します。
コロナ融資の返済が本格化…今、何が起きているのか?
2020年~2021年にかけて、多くの企業がコロナ融資を利用しました。当初は「据え置き期間」が設定されていたため、返済負担はゼロでした。しかし、2023年から2024年にかけて、据え置き期間が終了し、本格的な元金返済が始まっています。
特に、以下のような状況の会社は厳しい局面に直面しています。
👉売上が回復していないが、毎月の返済が始まった
👉事業規模以上の借入額で、現在のキャッシュフローでは返済が厳しい
👉複数の金融機関から借りており、毎月の返済額が多すぎる
対策を先延ばしにして、延滞が発生した場合、金融機関からの信用低下につながり、さらなる資金調達が困難になる可能性があります。
早めに手を打ち、適切な対策を講じることが重要です。
返済に困ったときの基本的な対処法
コロナ融資の返済が厳しくなった場合、まず以下の3つを優先して行いましょう。
金融機関と早めに相談する
多くの経営者が「返済に困っていることを銀行に言えない」と感じています。しかし、何もせずに延滞すると、信用が大きく低下し、状況はさらに悪化します。
金融機関側も、貸し倒れを避けるために「リスケジュール(返済条件の変更)」の相談には応じる姿勢を持っています。資金繰りが厳しい場合は、延滞する前に相談することが重要です。
返済計画の見直しをする
会社の業績によっては以下の対応ができる場合もあります。
👉元金返済据え置きの延長交渉
👉返済期間の延長
これらの方法で、毎月の返済額を抑えることができます。
資金繰りを改善する
支出を削減して手元資金を増やす努力をしましょう。
👉固定費の見直し(家賃の値下げ交渉、水道光熱費の削減)
👉仕入れコストの削減
👉事業のスリム化(不要な業務を整理するなど)
専門家の力を借りる
ここでは、経営改善について金融機関以外に相談できる場所を紹介します。
信用保証協会の「専門家派遣制度」
信用保証協会では、経営改善を支援する「専門家派遣制度」を提供しています。
この制度を活用すると、事業再生や資金繰りの専門家が無料でアドバイスを提供してくれます。
専門家派遣のメリット
✅ 経営状況を客観的に分析し、具体的な改善策を提案
✅ 銀行との交渉の進め方をアドバイス
✅ 返済計画の見直しやリスケの申請サポート
利用の際は、取引銀行や信用保証協会に相談することをおすすめします。
中小企業活性化協議会
中小企業の活性化を支援する「公的機関」としてすべての都道府県に設置されており、全国各地の商工会議所等が運営しています。 中小企業活性化協議会は、金融機関・民間専門家・各種支援機関と連携し、下記の支援を行っています。
中小企業活性化協議会の主な支援
✅ 収益力改善支援: 収益力低下、借入増加のおそれがある中小企業を対象に収益力改善支援を実施
✅ 再生支援: 収益性のある事業はあるものの、財務上の問題がある中小企業を対象に、事業面・財務面での改善を図る再生支援を実施
✅ 再チャレンジ支援: 収益力の改善や事業再生等が極めて困難な中小企業や、保証債務に悩む経営者等を対象に、再チャレンジに向けた支援を実施
中小企業活性化協議会(収益力改善・再生支援・再チャレンジ支援) | 中小企業庁中小企業の収益力改善・再生支援・再チャレンジ支援に向けた取組について、中小企業活性化協議会が支援しています。
※中小企業庁のHPから引用しています
よろず支援
よろず支援拠点は、国が全国に設置している無料の経営相談拠点です。
✅ 対象者: 経営上の悩みを抱えている中小企業・小規模事業者・NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人などの中小企業、小規模事業者に類する方、創業予定の方。
✅ 相談内容: :経営コンサルティング、ITやデザインなど様々な分野の専門家が中小企業等の経営課題にの相談に無料で対応します。
✅ 利用方法: お近くのよろず支援拠点に相談するhttps://www.chusho.meti.go.jp/keiei/network/
※中小企業庁のHPから引用しています
金融機関との交渉を成功させるポイント
☑ 必ず延滞が発生する前に相談する
☑ 最新の試算表を提出して、売上減少、コスト増加など資金繰りが厳しくなった理由を具体的に説明する
☑ 今後6か月~1年の資金繰りを作成し、資金繰りの改善策を説明する
☑ 単なる「返済猶予」ではなく、具体的な事業改善策を示す
「事業計画書に記載すべきポイント」
✔ 売上をどう伸ばすか? →新規顧客の開拓、販路拡大、価格設定の見直しなど
✔ コストをどう削減するか→不要な経費の削減、業務効率化など
✔ 具体的なスケジュールを組む→いつまでに誰がどの施策を実行するのかなど
事業計画書は簡単なものでも構いません。
最悪の事態を避けるために~やってはいけないこと
❌ 返済遅延を放置する → 銀行の信用評価が低下する
❌ 闇金や高金利の借入に頼る → 事業悪化の可能性が高まる
❌ 無計画に追加融資を受ける → さらに返済負担が重くなる
まとめ
コロナ融資の返済が苦しい場合、早めの対策が鍵となります。
金融機関は感情ではなく、「データ」で判断するため、交渉の際には客観的な数字を示せる資料を準備することが大切です。
適切な支援を受けることで、返済の負担を軽減し、事業の立て直しが可能となります。焦らずに、できることから行動を始めてください。
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