融資担当者の1日の仕事

銀行の話

こんにちは。

ワタナベミエです。

銀行の融資担当というと、『企業や個人にお金を貸す堅い仕事』というイメージがあると思います。

単純にお金の貸し借りをするといった数字を扱うだけでなく、その裏側には多くの人とのやり取りや信頼関係の構築が求められる奥のふかい仕事です。

今回はその融資担当者の1日の仕事の流れを追いながら、どのような仕事をしているのかご紹介したいと思います。

銀行融資はお堅い仕事?  融資取引は信頼関係が重要です


8:30 朝の準備とミーティング

融資担当者の1日は、課内の朝礼から始まります。

朝礼では、融資実績の発表や各人のその日のスケジュールの共有が行われます。

また、銀行内部の文書で重要な内容のものがあった場合に読み合わせなどを行っています。

融資担当者は日々の目標数字(融資残高や新規案件獲得など)を意識して動くため、朝のうちにその日の仕事の優先順位を決めて行動します。


9:00~ 企業訪問や取引先との面談

午前中はアポイントを取っていた取引先が来店したり訪問したりすることが多い時間帯です。

顧客の業績推移の確認や、新規取引先との商談を行います。

例えば、取引先の経営者からはこのような相談を受けることがあります。

「新しい店舗を出店したいが、資金をどう調達したらいいのか?」

「設備更新のための融資は可能か?」

相談を受けた融資担当者は、顧客のニーズをヒアリングし、資金計画や返済計画を考えます。

ただ数字や計画だけを見ればいいわけではなく、経営者のビジョンや事業の将来性を見据え、それが銀行として支援可能かどうかを判断する役割を担っています。


11:00~ 資料の収集と融資審査の準備

お取引先の対応を一通り終えると、お客さまから得た情報を整理して必要な資料を準備します。

例として、新規融資を行う場合は下記のような書類を準備してもらいます。

  • 決算書(3期分)
  • 資金繰り表
  • 事業計画書
  • 見積書
  • 借入金の返済予定表(他の金融機関で借入があるとき)

これらの資料を基に、融資担当者は「この会社に融資した場合に返済できる能力があるか?」を分析します。

ここで重要なのは、数字の裏側にある「会社の事業内容」をしっかり理解することや資料からだけではわからない 社長の経営感覚や資質 社内の雰囲気 も重要な判断材料となります。


12:00~13:00 昼休憩

お昼はほとんど社内で食べることが多く、外食はあまりしません。

昔は外出することをあまりよく思わない上司もいたので、その名残かもしれません。

また、多くの支店には社食があったので外出する必要もありませんでした。


13:00~ 融資案件の打ち合わせ

午後は、支店内で融資の打ち合わせを行います。

打ち合わせでは担当者が準備した資料をもとに、融資課統括や支店長、融資金額によっては本部とも意見交換をすることもあります。

「この融資案件にはリスクがないか​​?」
「返済能力をどのように評価するか?」

こういった場面では、担当者が取引先の事業内容や返済能力などを、わかりやすく且つ簡潔に説明する力が重要になり、事前準備の丁寧さや段取りが結果を左右します。


15:00~ 電話やメールでの顧客対応

打ち合わせの後は、顧客の対応に追われることもしばしばあります。

「新規融資を受けたい。」
「既存の融資の金利や返済金額の詳細を知りたい。」

といった質問に対応します。

また、場合によってはトラブル対応も必要となってきます。

例えば、返済の遅れが発生した場合、顧客との話し合いや返済条件の変更の提案を進めるなど、柔軟な対応が求められます。


17:00~ 契約書類の作成や事務作業

1日の終わりは、契約書類の作成や内部報告書の作成など、デスクワークに集中する時間です。

融資が正式に決定した場合、契約内容を記載した契約書を用意し、顧客に説明する準備を整えます。

また、銀行内ではコンプライアンス(法令遵守)が非常に重視されるため、ミスが許されず慎重な作業が求められます。


18:00頃  退社(残業になることもあります)

予定通りに業務が進めば、18時頃には退社しています。

ただし、融資担当の仕事は顧客対応や内部手続きが重なることがあるため残業になることもよくあります。それでも、取引先の事業が順調に進んでいるのを確認したり、経営者から感謝の言葉を聞けると、忙しさの中にもやりがいを感じられる仕事です。


融資担当者の魅力とやりがい

融資担当者の仕事は、数字を扱うだけでなく多くの人と関わりながら信頼関係を築くことが求められます。

経営者から「あなたのおかげで事業がうまくいった」という言葉を聞けることや新規の事業に携われる機会は銀行の融資担当者ならではの魅力です。

また、金融の知識だけでなく、顧客とのコミュニケーション能力や提案力を磨けるため、スキルアップを目指す人にとっては非常にやりがいのある仕事だと思います。


まとめ

銀行の融資担当者の1日は、いろいろと忙しくあっという間に過ぎていきます。

顧客との信頼構築、数字の分析、そして内部での議論など、広範囲に渡る業務が展開されます。

その中でも財務分析の知識は一生役立つスキルです。

やりがいや達成感は、この仕事ならではのものだと思います。

もし金融業界に興味がある方は、融資担当者の仕事を選択肢に入れてみてはどうでしょうか?

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