こんにちは。
ワタナベミエです。
経営者の皆さんは、銀行から融資を受ける際に必要な書類として「資金繰り表を作成してください」と言われたことはないでしょうか?
今日の記事はその資金繰り表の作り方についてのお話です。
銀行も納得するシンプル3ステップを現役銀行員が解説
資金繰り表の作成と聞くと、「なんだか難しそう」「数字の計算が苦手だから…」と身構えてしまう方も多いのではないでしょうか?
実は、銀行員である私も、最初は「資金繰り表の作り方を経営者の方に、どう説明したら理解してもらえるだろう?」と悩んだ時期がありました。
ところが、ある経営者の方と面談したときに、『日めくりカレンダー』に入金や支払いの予定を書き込んでいるのを見て気づいたのです。
**資金繰り表とは『会社のお金が“回るかどうか”を予測するための作戦』**だと。
今後の会社のお金の流れをざっくりと把握するだけでも、お金に関する不安はだいぶ解消されます。
今回は、数字に強くなくても、エクセルが苦手でもできる、資金繰り表の超シンプルな作成法を3ステップでご紹介します。
ステップ①:まずはカレンダーと通帳を用意する
資金繰り表とは、「これからのお金の動き(入ってくる・出ていく)」を月単位、または週単位でまとめた表のことです。
ですが、最初から「表を作らないと」と思うと、手が止まります。
まずは紙のカレンダーでもOK。
ある経営者は、ノートに一ヶ月分の日にちを記入して、お金の出入りを管理していた方もいました。おこづかい帳をイメージしていただければ良いと思います。
そこに次のことを書くだけでOKです。入出金額がおおよそ決まっているものは、通帳に記入された実績をもとに書いていくのがおすすめです。
今後入ってくる予定のお金
- 売上の入金日
- 入金される金額(消費税込みで)
- 受取手形がある場合はその期日
今後出ていく予定のお金
- 仕入代金の支払日
- 従業員の給与・社会保険料・家賃・借入金の返済・リース料の支払い
- 税金(消費税・法人税など)⇒これは忘れがちな支出項目なので、忘れずに記入してください。
※目安として「今月から3か月先」まで把握できると安心です。
ステップ②:入金と支払いを「月ごと」にまとめる
カレンダーに書いた予定をもとに、月ごとに集計します。
※▶をクリックすると資金繰り表のテンプレートが表示されます。
売上の入金予定と、支払い予定(人件費・家賃・借入金など)を記入していくことで、
資金残高の変動や資金不足のタイミングを事前に把握できます。
項目 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|---|
月初残高 | ||||||
【入金】 | ||||||
売上入金 | ||||||
その他入金 | ||||||
入金合計 | ||||||
【出金】 | ||||||
仕入支払 | ||||||
人件費 | ||||||
家賃 | ||||||
水道光熱費 | ||||||
広告宣伝費 | ||||||
借入金返済 | ||||||
その他経費 | ||||||
出金合計 | ||||||
差引(入金-出金) | ||||||
月末残高 |
ここで大切なのは、**「月末時点で資金が足りているか」**を見ることです。
資金がマイナスになる月があるなら、早めに手を打つ必要があります。
ステップ③:数字が不安でも“見える化”すれば、銀行も支援しやすい
実は、銀行員が知りたいのは**「資金繰り表の正確さ」**よりも、**「経営者の意識」**です。
どんなに立派な資金繰り表があっても、中身を聞くとよく分かっていない…という社長もいます。
逆に、手書きでも「今後の資金の動きが見えていて、相談内容が明確」なら、銀行は協力しやすくなります。
補足:資金繰り表を作ることで得られる3つのメリット
- いつ・いくら足りないのかが明確になる
→「あと何日分の資金があるか」が把握でき、余裕をもって動ける - 経営判断がしやすくなる
→不要な支出の見直しや、資金調達のタイミングが見える - 銀行に“理解のある経営者”と思ってもらえる
→融資検討の際に「この人なら任せられる」と評価されやすくなる
まとめ:資金繰り表はあなたの“経営の地図”
資金繰り表は、数字が得意な人だけのものではありません。
むしろ、資金が心もとないなと思ったときこそ、未来を見える化しておくことが経営の命綱です。
まずは紙でもOK、手書きでもOK。
「いつ、いくら、出入りがあるか」を書いてみるところから始めてみてください。
次回は、シンプルで使いやすい資金繰り表のテンプレートもご紹介予定です。
あなたの資金繰りの不安が、少しでも軽くなることを願っています。
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