こんにちは。
ワタナベミエです。
今回の記事は資金繰りが厳しいときの、銀行への相談の仕方についてです。
日々、忙しさに追われている経営者の方は、なかなか資金繰りのことまで気が回らないこともあると思います。でも、資金繰りの管理は、企業経営において非常に重要な役割を担っています。資金繰りを適切に管理することで、会社の安定的な成長と持続性を維持することができるのです。
現役銀行員が教える3つのポイント
資金繰りが厳しい。でも、銀行にどう相談すればいいのか分からない——。そんな悩みを抱える経営者の方は少なくありません。しかし、実際に相談を受けたときには「来週のお給料の支払いができない」とか、「明後日の融資の返済ができない」というセリフを耳にすることがあります。
そんな時私は「もう少し早く言ってくだされば対応できたのに…」と感じることがあります。
今回は、銀行員の立場から、「資金繰りが苦しいとき、銀行にどう相談すればよいか?」というテーマで、失敗しない相談のコツをお伝えします。
【結論】相談は「早く・正直に・具体的に」が鉄則です
資金繰りの相談で一番大切なのは、「タイミング」「姿勢」「内容」の3点です。
つまり、できるだけ早く、隠し事なく、具体的に話すということ。
この3つを守るだけで、銀行の対応は大きく変わります。
【なぜ重要?】銀行の対応は“事前相談”か“事後報告”かで180度違う
なぜ「早く・正直に・具体的に」が重要なのか?
理由はシンプルです。銀行も融資先を支援したいと思っていますが、「今さら言われても…」というタイミングでは選択肢が限られてしまうからです。
- 早ければ「短期融資」「条件変更」「返済猶予」など対策の選択肢が広がる
- 正直に話してくれれば、「リスケに耐えられるかどうか」判断しやすい
- 抽象的な相談では、審査資料が作れず「検討の土台にも乗らない」
銀行は万能ではありません。早めに、事実を隠さず、判断材料を持ってきてくれる経営者ほど、支援しやすいのです。
【実践】資金繰り相談の3つのポイント
ポイント①:延滞する前に相談する
「明日、手形が落ちないかも」「給与が払えないかも」
そんな状況になってからでは、できることは限られます。
延滞してしまうと、銀行内部や信用保証協会の評価も厳しくなり、支援が受けにくくなります。
兆候が見えた段階で、恥ずかしがらずに相談する勇気が必要です。
ポイント②:いくら・いつ・何のためを明確に
「いくら必要なのか」「いつまでに必要か」「何に使う資金か」を明確に伝えましょう。
たとえば、
「今月末の仕入資金300万円が不足しています。原因は大口の売掛金回収遅れです。来月には回収予定です」
このように話せば、銀行側も具体的な対応ができます。
ポイント③:「一時的な資金不足」か「構造的な赤字」かを見極める
資金繰り悪化の原因が一時的なもの(売掛金回収のズレなど)であれば、銀行も柔軟に対応することができます。
しかし、赤字が続いており根本的に利益が出ていない場合は、経営改善計画が必要になります。
銀行も「資金を貸すことで再建できるのか?」を重視するため、原因の説明はしっかりとすることが必要になってきます。
【準備】相談前に用意しておくべき資料
銀行に相談に行く前に、最低限この3つの資料は準備しましょう。
- 資金繰り表(今後3ヶ月程度)
→ どこでお金が足りなくなるのか、いつ回復するのかを示すため。 - 借入一覧表(元本・利息の返済予定表)
→ 借入している金融機関全部のもの。毎月どのくらいの返済があるのか確認するため。 - 売上見込みや受注予定一覧(必要に応じて)
→ 今後のキャッシュインが見込める資料は、非常に説得力があります。
【まとめ】資金繰り相談は、会社の未来を左右する“経営判断”
資金繰りが苦しいときこそ、「相談の質」が問われます。
遅れて、隠して、抽象的に話すと、銀行は支援しづらくなります。
一方、早く・正直に・具体的に相談する経営者は、信頼を得やすく、再建もしやすいのです。
「こんなことを相談していいのだろうか」と迷う前に、
今こそ、あなたの判断力が試されるときです。
資金繰りに関する相談は、悩むよりまず一歩を。
私のブログでは、現場の銀行員だからこそ伝えられる融資や再生のヒントを発信しています。
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