こんにちは、ワタナベミエです。
今回は、銀行から「新規」で融資を受けようとする経営者の方に向けて、現場の銀行員が本音でお伝えする“成功の心得”をお届けします。
新規融資は、すでに実績がある取引先とは違い、銀行側の視点では「ゼロから信頼関係を築く」プロセス。だからこそ、どこをどう準備すれば評価されるのか、どこで減点されるのかを知ることが大切です。
融資担当者は”第一印象”で7割判断している
新規でのご相談の場合、銀行側には事前情報がありません。つまり、最初の面談時がすべて。その瞬間の立ち振る舞いや話し方で、「この人は信用できるか?」を直感的に見られています。
✅印象アップのポイント
- 清潔感ある服装と丁寧な言葉遣い
- 事業内容を自分の言葉で明快に説明できること
- 嘘をつかない・盛らない・曖昧にしない
📌実話:1億円の融資希望で“ざっくり1億”
ある経営者が、「ざっくり1億円借りたい」と希望されましたが、使い道も計画も不明確。銀行は“根拠なき金額”を最も警戒します。
「根拠ある数字」があってこそ、信頼は生まれます。
銀行が重視する”3つの確認ポイント”
銀行は、以下の3点が明確でないと基本的に融資を出しません。
お金の使い道が明確か(資金使途)
- 運転資金?設備投資?
- 金額の内訳、使うタイミング、支払い先なども明確に
どうやって返すのか(返済原資)
- 短期資金→売上回収による返済
- 長期資金→利益による返済
万が一返せない場合は?(リスク管理)
- 担保や保証人の有無
- 自己資金の割合
- 事業の収支バランス
新規事業の実現性をどう説明するか?
事業の立ち上げ期や新分野への展開では、実績がない分、「計画の現実性」「構想の妥当性」が重要です。
✅押さえておきたい5つの説明ポイント
- 商品・サービスの概要と収益モデル
- 販売先・仕入先の実在性(契約書・見積書など)
- 競合との差別化ポイント
- ターゲット層と地域特性
- 想定リスクとその対応策
📌事例:インバウンド依存の旅行業者
海外観光客を主要顧客としていた企業が、政情不安で予約キャンセルが相次ぎ窮地に。リスクの多様化(国内需要・新サービス展開)をしていれば状況は違ったかもしれません。
銀行が求める書類の“質とスピード”
新規融資でよくある減点ポイントが、「書類の不備」「準備の遅れ」です。事前に以下をそろえておくことで、評価は大きく変わります。
✅最低限必要な書類
- 会社概要書(事業内容・資本金・取引先など)
- 代表者経歴書
- 事業計画書(売上・利益・資金計画)
- 資金繰り表(月単位の収支予定)
- 自己資金の証明(通帳コピーなど)
- 許認可証の写し(業種による)
金融機関の特徴と選び方
✅地元密着なら地方銀行や信用金庫
- 小規模事業への支援に積極的
- フットワーク軽く柔軟な相談に対応
✅資金規模が大きいならメガバンク
- 国際展開や広域展開している企業向け
- 審査は厳しいが条件面では有利な場合も
まとめ|融資成功のカギは「準備」と「誠実さ」
新規融資は、銀行にとっても”リスクが高い融資”です。だからこそ、経営者側からの「準備の質」や「信頼感」が結果を大きく左右します。
- 借入目的・返済計画・返済できなくなった時のリスク対応の3点を明確に
- 信頼される態度と書類提出の誠実さ
- 自社の将来に対する説明力
この3つが揃えば、たとえ創業間もない会社でも、銀行はあなたを“パートナー”と見てくれるようになります。
ぜひ、本記事をきっかけに、ひとつずつ準備を進めてください。
あなたの事業に、最適な資金の追い風が吹くことを願っています。
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