【完全ガイド】銀行融資のリ・スケジュール(リスケ)の具体的な申請手順~銀行との交渉手順と必要書類を徹底解説!

延滞、リスケ

こんにちは。

ワタナベミエです。

事業の資金繰りが厳しくなり、銀行への返済が難しくなった場合、「リ・スケジュール(リスケ)」を申請することで、返済条件を変更して経営を立て直す時間を確保することができます。

しかし、リスケの申込み方法を誤ると、銀行との関係が悪化したり、審査が通らなかったりすることがあります。

今回の記事では、リスケの具体的な申込み手順を詳しく解説します。

銀行への相談のタイミングや必要書類、リスケ後の対応まで、わかりやすく説明するのでぜひ参考にしてください。



リスケの相談は必ず銀行に来店して行う

リスケを申し込む際、電話で連絡し必ず銀行担当者にアポイントをとって銀行に出向きましょう。電話で済ませるのはNGです。

担当者も事前準備があるため、突然来店するのもNGです。銀行の担当者と直接会って、現状の状況や今後の見通しを説明しましょう。

また、延滞が始まってからでは遅いので、返済が厳しくなる前に早めに相談することが重要です。目安として、「今後3か月以内に返済が厳しくなりそう」と感じた時点で銀行に出向くのが適切です。


メインの取引銀行に最初に相談する

取引銀行が複数ある場合、まずは**融資残高が最も多い銀行(メインバンク)**に相談しましょう。メインバンクがリスケに応じると、他の銀行も協調しやすくなるからです。

なお、日本政策金融公庫はメイン銀行にはなりません。そのため、公庫からの借入がある場合でも、まずは民間銀行に相談し、その後、公庫や他の金融機関にも対応を相談しましょう。

場合によっては、メインバンクが他の銀行に連絡を取ってくれることもあります。


リスケの具体的な申込み手順

リスケを申し込む際は、以下の対応を行います。

返済条件の希望を伝える

まずは、「元金返済据え置き」(利息のみ支払う)など、「当初の返済額より少ない金額を返済する」(少額弁済)など希望する条件を銀行に伝えます。

㊟: 通常は利息の支払いは継続されます。

預金口座からの自動引き落としを止める

リスケの申込みをしたからといって、自動的に引き落としが止まるわけではありません。事前に銀行に引き落とし停止の依頼をしましょう。

もし、引き落としを止めることができない場合、口座から資金を抜いて延滞させるという選択肢もあります。ただし、これは銀行との関係に影響するため、事前に担当者とよく相談してください。

書類で正式に申し込む

口頭での相談だけでなく、銀行所定の正式な申込書類を提出する必要があります。


銀行から求められる書類を提出する

リスケの審査を進めるためには、銀行から求められる書類を提出しなければなりません。主に以下の書類が必要になります。

✔ 直近の試算表

✔ 資金繰り表(今後の収支予定を示す)

✔ 事業計画書(リスケ期間中の事業計画)

✔ 借入一覧表(他銀行の分も)

特に試算表や資金繰り表は早めに準備しておきましょう。銀行は、リスケ後に返済を再開できる見込みがあるかを重視するため、事業計画書の内容も非常に重要になります。


審査通過後に変更契約を締結する

銀行や信用保証協会の審査が通れば、正式に**返済条件変更の契約(変更契約)**を締結します。

すべての銀行で条件を統一することが重要です。

例えば、

❒ 元金返済据え置き → すべての銀行で適用

❒ 毎月10万円返済 → 各銀行の融資残高に応じて按分
  例: 融資残高 A銀行500万円 B銀行300万円 C信金200万円 → 合計1000万円
     返済額  A銀行 5万円    B銀行 3万円     C信金 2万円  → 合計10万円
  といった感じになります。

こうすることで、金融機関の間で不公平感をなくし、スムーズにリスケを進められます。


リスケ期間満了時の対応

リスケは通常6か月〜1年間の期間で設定されます。しかし、リスケ終了後に業績回復が間に合わない場合、再度リスケの申込みが必要になります。

このとき、リスケ期限の1か月前までには銀行に相談し、最新の試算表や資金繰り表を持参して説明しましょう。


リスケ申請時に経営者が抱く不安とその対策

リスケを申し込む経営者は、さまざまな不安を抱えています。代表的なものを挙げ、その対策を紹介します。

リスケに関するQ&A

Q.「リスケを申し込んだら銀行との関係が悪化しないか?」

⇒ A. 事前に誠実に相談すれば、銀行も真剣に対応してくれます。むしろ、延滞してから業績の悪化を事後報告する方が関係悪化のリスクが高いです。

Q.「リスケしたら新規融資は受けられなくなるのか?」

⇒ A. 基本的にリスケ中は新規融資が難しくなります。ただし、リスケ後に業績が改善し、当初の約定弁済を開始することができれば、再度融資を受けられる可能性はあります。

Q.「リスケを繰り返すとどうなる?」

A. リスケを繰り返すと、銀行の信用が低下し、追加の担保提供や妥当性のある経営改善計画の再提出を求められることがあります。なるべく1度のリスケで業績を立て直せるよう努力しましょう。


まとめ

リスケは早めの相談と適切な手続きが重要です。本記事のポイントを押さえ、スムーズに申請を進めましょう。

リスケは一時的な資金繰り改善策にすぎません。事業の根本的な改善を図ることが、最終的な解決策になります。

リスケ申請のポイント

💡 資金繰りが悪化する前に早めに銀行に相談する

💡 資金繰り表や経営改善計画書を準備する

💡 銀行の審査に誠実に対応する

💡 リスケ後も経営改善に努める

以上のポイントを踏まえて、取引銀行と相談してください。

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