こんにちは。
ワタナベミエです。
今回は返済財源の紐付き融資についてのお話です。
簡単に言うと、融資の返済原資が特定の財源に紐付けられている短期融資のことです。
この融資は、一般的に建設業や不動産業でよく利用されます。経常的に利用する運転資金の融資枠が設定されている場合だと、その枠を利用するたびに返済財源を特定します。融資枠が設定されていない会社であっても、個別の短期融資として返済財源を特定して融資を受けることができます。
返済財源の紐付き融資とは?
建設業や不動産業など、一定の期間に資金調達が必要な業種でよく利用される方法です。たとえば、工事代金や不動産物件の販売代金など、将来的に確定した収入をもとに借り入れを行います。
この融資は、資金繰りを安定させて、事業を円滑に進めるための重要な手段ですが、特定の返済財源に依存するため、資金使途を守ることと適切な返済計画が必要となります。
建設業での活用例
建設業では、工事を受注した際に、先行して資材や人工代の手配をしなければならないことがあります。このとき、工事完成後に得られる工事代金を返済原資として短期融資を活用することが一般的です。
<融資実行から返済までの流>>
- 工事を受注、工事請負契約書を締結する
↓ - 工事請負契約書などを銀行に提出し、融資を受ける
↓ - 材料の仕入れ、人件費の支払い
↓ - 工事完了後に発注元から代金を回収し、その資金で融資を返済する
この方法により、自己資金の負担を軽減し、複数の工事案件を同時に進めることが可能になります。
不動産業での活用例
不動産業(売買業)では、土地や中古物件を仕入れて、建物の建設やリフォームを行った後に販売するケースが多いです。この場合、物件を仕入れて販売代金を回収するまでの短い期間を補うための融資が必要となります。
<融資実行から返済までの流れ>
- 不動産物件の売買契約書を締結
↓ - 土地等仕入れの際の売買契約書や、販売見込み資料などを銀行に提出して融資を受ける
↓ - 売主に物件購入代金を支払う、その後、建物の建設またはリフォームを行う
↓ - 物件を販売し、販売代金を受け取った後に融資を返済する
このプロセスは、不動産開発や中古物件再販を効率よく行うための資金繰り対策として非常に有効です。
融資を受ける際の必要書類
返済財源紐付き融資を利用するために、以下の書類が必要になります
- 契約書類
工事請負契約書や不動産売買契約書など、工事や購入する物件の実態がわかる資料や返済財源を証明する書類が必須です。 - 収支計画書
資金使途や返済スケジュールを記載した計画書が求められます。 - 受注工事や不動産在庫の一覧表、資金繰り表など
受注している工事全体の進捗状況や長期間売却できずに抱えている不動産在庫の有無を確認するための資料です。また、融資金を他の工事や物件の購入に流用していないか、入金の遅れている工事がないかどうかを確認するために資金繰り表なども提出します。 - 過去の取引実績
事業の信頼性を示すため、過去の工事実績や物件の販売状況を示す資料を提出する場合もあります。
銀行によって異なる場合があるため、担当者に事前に確認しておきましょう。
返済財源紐付き融資を利用する際の注意点
- 代金回収は融資を受けた銀行の口座で行う
返済財源は必ず融資する銀行が確認できる形で管理する必要があります。代金の振込先を融資を受けた銀行とは違う銀行の口座に設定してしまうと、トラブルの原因となります。 - 代金の回収リスクを考慮する
工事発注元や物件の買い手の信用状況に問題がある場合、代金回収が遅れる可能性があります。その場合は、他の資金繰り計画も並行して検討してください。 - 資金の用途を明確にする
融資の目的外利用は銀行との信頼関係を損ねるため、計画通りに資金を活用しましょう。 - 返済スケジュールの確認
予定通りに代金が回収される前提で返済計画を組む必要があります。工事や販売のスケジュールに遅れが出ないようにしっかりと管理してください。
まとめ
返済財源紐付き融資は、建設業や不動産業の経営者にとって実用的な資金調達の手段です。ただし、適切な資金計画と注意すべき点を踏まえて活用しなければ、返済リスクを高める可能性もあります。
また、建設業の場合だと、通常は工事が完了し工事代金が入った時に一括返済しますが、工事代金が分割で入るなどの条件がある場合は、その都度、分割で返済を求められることが一般的です。
ある建設会社がトラブルから工事代金が回収できずに資金繰りに苦慮していました。それを補填するために、架空の工事請負契約書を作成して、借りたお金で穴埋めをしていました。実際に工事現場を訪れてみて、工事が行われていなかったことから契約書を偽造していたことが発覚した事例もありました。
このような融資金の流用は、資金繰りをさらに悪化させる原因となります。代金回収の手順やスケジュールをしっかり管理することで、銀行との信頼も深まるため継続して融資を受けることが可能となります。
この融資を初めて利用する場合は、必要書類を整備し、銀行担当者との密なコミュニケーションを心掛けましょう。
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